文型学習の目的
英語の語順の最も基本的なルールは「主語の後に動詞が来る」というものです。したがってほとんどあらゆる文に動詞が用いられるのですが、動詞にはそれぞれ固有の意味があり、また使い方も様々なので、なかなかうまく使いこなせません。しかし、逆に言えば、文には必ず登場するこの「動詞」をいかにうまく使えるかどうかが、英語の力に大きく関わってくるのです。
5文型は、その英語の要ともいうべき「動詞」の使い方を学習する単元です。
5文型には「主語」、「動詞」、「目的語」、「補語」という4つの文の要素が登場しますが、主役はあくまでも「動詞」です。
5文型は、動詞の使い方に応じて文を5つに分類したものです。
英語学習についてのよくある誤解として、英語がわかるためには単語や熟語の知識を増やせばよいという考え方があります。
しかし、日本人にとって、英語の最も難しい部分は、単語や熟語の多さではなく、日本語とは全く関係のない英語独自の語句の並べ方をマスターすることなのです。この語句の並べ方のパターン(これをよく「構造」と呼びます)をまず理解しようとしなければなりません。
そして5文型は、その「構造」について考える絶好のヒントを与えてくれる単元なのです。
私の勤務する塾に入ってくる高校2年生や3年生で、世間で進学校と言われる学校の生徒でも英語がとても苦手な生徒がいますが、そういう生徒の中には5文型がそもそもわかっていないという場合があります。
大抵の場合、彼らは、英語の文には独特の文構造があるということがピンと来ていないのです。
ですから、たとえ2年生や3年生であっても、そのような生徒には5文型を教えることから始めますが、そうすると中には見違えるように英語が読めるようになる人が出て来ます。5文型の考え方はそれほど大切なのです。
「英語は難しいなぁ、まず単語が覚えられないし」ということで英語の難しさを単語を覚えることの難しさに還元する人が多いのですが、実は語彙力の重要性は英語学習の一番最後に痛感されるべきものであって、英語学習者が最も身につけるべきことは、繰り返しますが、文の構造を読み解く力なのです。そして5文型は英語の中に様々ある「文構造」の種類の中でも最も基本的で汎用性の高い考え方なのです。
なお、5文型という文の分類法は、かなり努力して英語の力を身につけた学習者や、英語環境で育ったことのある人には、すでに無意識にできてしまうものなので、時々「文型なんて意味がない」という感覚を持ったりすることがあるようです。
しかし、彼らは無意識にできていることなので意味が感じられないだけです。
こういう無意識にできるべきものが、初心者にとっては最も大切なのです。
- 文型とは?
- 文型学習の目的
- 文の要素とは
- 修飾語とは
- 文型を決定する一組のSVとは
- 第1文型(S+V)とは
- there is 〜 構文は第1文型
- 第2文型(S+V+C)とは
- 第2文型をとる一般動詞
- 第2文型をとる一般動詞 「〜になる」
- 第2文型をとる一般動詞 「〜に思える」
- 第2文型をとる一般動詞 「〜のままである」
- 文型の多重性
- 第3文型(S+V+O)とは
- 自動詞と他動詞
- 目的語は常に名詞
- 第4文型(S+V+O+O)とは
- 第4文型から第3文型への転換とは
- 第4文型から第3文型への転換 to 型
- 第4文型から第3文型への転換 for 型
- 第4文型から第3文型への転換 of 型
- 第5文型(S+V+O+C)とは
- 第5文型 〜 make 型 〜
- 第5文型 〜 find 型 〜
- 第5文型 〜 see 型 〜
- 第5文型 〜 使役動詞 〜