自動詞と他動詞
動詞の種類分けで「自動詞」と「他動詞」という区別の仕方があるのですが、これは極めて重要な区別です。
「自動詞」か「他動詞」かの基準は「目的語があるか、ないか」によります。
動詞が目的語をとっている場合はその動詞は「他動詞として使われている」と言い、目的語がない場合は「自動詞として使われている」と言います。
I eat an apple every morning.
(私は毎朝リンゴを食べる。)
の文についていうと、「eat an apple の eat は、an apple という目的語をとっているので他動詞として使われている」というふうに言います。目的語をとっていない例としては、
I live in Tokyo.
(私は東京に住んでいる。)
のliveがその例です。ここでちょっと注意して頂きたいのは、動詞が他動詞か自動詞かは、その文中での使われ方によるものであって、初めから「eatは他動詞である」と決まっているというわけではない、ということです。
「ほとんどの動詞は自動詞にも他動詞にも使えるのだ」と理解しておいてください。ほとんどが2つの役割をこなせるのですが、その中で時々不器用なやつがいて、他動詞か自動詞かのどちらかでしか仕事ができないものがいる、という感じです。
さて、「主語+動詞」が英語の語順の基本であり、動詞が目的語(その品詞は常に名詞でしたね)をとる場合、その動詞は他動詞である、ということを確認しましたが、そうすると、他動詞の文の形は、「主語+動詞+目的語」となります。これを品詞で言い換えると「主語」も必ず名詞ですから、「名詞+動詞+名詞」となります。
これは私の「勘」ですが(そして私はあまり勘の良い方ではありませんが)、英語の文の中で最も多いパターンがこの「名詞+動詞+名詞」ではないでしょうか。私の勘に多少なりとも根拠があるとすると、そもそも人間を初めとする生き物は外界に対して常に何らかの働きかけを行っている(何も働きかけをしていない生き物を想像することは難しいと思います)ので、「働きかける主体+動作+働きかけられる客体」という言い方を最も頻繁に作るのではないか、ということが挙げられます。
ま、それが一番多いかどうかは別として、英文で「名詞+動詞+名詞」と並んでいるとそれは他動詞の文だという感覚がすることは確かです。
He watered the garden.
この water は ed をとっていますから動詞として使われており、さらに the gardenという名詞を直後にとっているので the garden に働きかけている、というふうに理解される可能性が最も高いと考えられます。water が動詞で「庭」に働きかける、というのは、つまり「庭に水をやった」ということです。
次の二つの文を比べてください。
(A) She runs in the hotel.
(B) She runs the hotel.
(A)は「彼女はホテルで走る」ということで問題ないかと思います(どんな状況なのかは謎ですが)。しかし、(B)についてはrunsという動詞のすぐあとに名詞が来ている形ですから、その場合、runsがthe hotelに働きかけているという意味関係が発生します。runの意味がそうだ、というより動詞の後に名詞を続けているという語順がそのような意味を発生させるということです。そこで、通常runは「走る」という意味ですが、この文においては「〜を走らせる」という意味となります。「ホテルを走らせる」というのは、ホテルの経営が破綻して倒産しないように前へ進ませるというような意味です。よって他動詞としてのrunは「〜を経営する」という意味を持つ、ということになります。
(B)「彼女はそのホテルを経営している。」
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