目的語は常に名詞

   目的語の特徴として重要なものに、目的語は常に名詞であるということが挙げられます。第2文型における補語は形容詞や副詞が主なもので、補語になる部分の品詞は特定されませんが、目的語は基本的に名詞である、という特定ができます。
  
I eat an apple.
  
のan apple、
  
He knows everything.
  
のeverythingなどのように「動詞の動作の対象」には常に名詞が来ます。
では、
  
He knows that I am busy.
  
ではどうでしょうか。
この文ではthat I am busyが目的語なのですが、これを「私が忙しいというコト」という名詞のカタマリと見なします。主語や動詞を含んでいても、「〜であるコト」「〜というコト」とか「〜するコト」というふうにまとめられるものも「名詞」とみなすのです。(あるいは「名詞の働きをする」などと言います。)  

She didin't know what to do.
彼女は何をしたらよいかわからなかった。
  
という文ではwhat to doが、「何をしたらよいかというコト」というふうにまとめることができ、knowの目的語になっています。
目的語は名詞または名詞に相当する表現ということになります。
したがって、全体をまとめると以下のようになります。

目的語 → 動詞の動作の対象となる名詞(又は名詞相当表現)

  第3文型まで来て、少しややこしくなってきたかもしれません。文型の判断においてよく誤解される点について触れておきましょう。
  「目的語は動詞の動作の対象である」と聞いて、
  
She lives in Tokyo.
  
の「in Tokyoがlivesという動作の対象だからin TokyoやTokyoが目的語である」と考えてしまう人がいます。しかし、「動作の対象」というのは、動作から直接的に何らかの働きかけを受けているもの、ということを意味します。(あるいは動詞の行為の結果生み出された名詞ということもありますが。)liveという動詞は「住んでいる」という意味なので、その行為自体が他へ働きかけるということはありません。「東京」が「彼女が住むこと」によって何かの働きかけを受けているわけではありません。 こういう場合のin Tokyo は目的語ではなく、liveがどこで起こっているかを示していると考えます。動詞を修飾しているので、「修飾語」(M)ということになります。
また別の例としては、
  
She turned right at the corner.
彼女は角を右に曲がった
  
という文において、「rightはturnedのすぐあとにあるからturnedの目的語だ」と勘違いする場合があります。この場合、rightは名詞ではなく「右に」という副詞です。また動詞「曲がる」も、何かに対して働きかけるというわけではありません。「〜を曲げる」なら別ですが。
  

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