時制の難しさ (2)


  次の3つの日本語をそれぞれ英語にしてみてください。

(1) 私は大阪を訪れたことがある。
 
(2) 私は3年前に大阪を訪れたことがある。
 
(3) 私は3年前に大阪を訪れたことがあった。

  これを英語にするときに次のように考える人が多いのではないでしょうか。
 
  「え~っと、まず(1)については、『~したことがある』という日本語 だからぁ、「経験」 なので、よし現在完了形!(2)は、『~したことがある』に「3年前」がついているから、 現在完了形にして、それに3年前、つまりthree years agoをつければいいんだな、」ということでそれぞれ、
(1) I have visited Osaka.
(2) I have visited Osaka three years ago.
とし、
(3)については、
  「3年前かぁ。ちょっと古いけど、でも『~したことがあった』と言っているんだからやっぱり 経験だな。でもちょっと古い経験だから、そう、現在完了を古くして、そうそう過去完了!」ということで、
(3) I had visited Osaka three years ago.
 
いかがでしょう。
 
正解は、(1)はそのままでいいのですが、(2)、(3)については、訂正が必要です。
(2)はI visited Osaka three years ago.であり、
(3)もI visited Osaka three years ago.なのです。

(1) I have visited Osaka.
 
(2) I visited Osaka three years ago.
 
(3) I visited Osaka three years ago.

  もし、自信を持って三つとも正解を導くことができた人は、時制についてのツボはマスターされて いると思います。 
  間違えた皆さん、気になさらないでください。全く不安になる必要はありません。間違う方が 初心者としては普通なのです。なぜならここが時制のツボで、最も大切な、よって最も難しい ところだからです。
   日本人が正しく英語の時制を使い分けるために必要な意識は、まず、「日本語の訳で考えている うちは区別できない」ということなのです。
  ではどうすればいいのか。
   それは、英語のそれぞれの時制について、時間の枠組みがどうなっているかを論理的に (というほどカッコイイものではありませんが)少なくとも「理屈として」理解するという ことが必要なのです。
  これから時制の捉え方を解説していきますが、ぜひそれぞれの時制について、 「日本語の訳」ではなく、それぞれの時制の用法を「理屈として」捉えるように してください。

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