shouldの基本用法 (2)

感情の should  「〜だなんて」

  「〜すべき」、「〜なはずだ」という2つが should の基本ですが、それ以外にも should には重要な用法があります。
  その一つが「感情の should 」と呼ばれるもので、それを日本語に訳す場合には「〜なんて」ぐらいが適当でしょうか。
 
 Why should I know?
   (いったいどうして私が知っているの(そんなの知らないよ。))
 
  「〜なんて」が登場しませんでしたが、この文では、主語である「私」が、何かの内容を知っていると思われていることに対する強い「意外性」や「驚き」といった「感情」がこの文には感じられます。このように疑問詞と共に用いられると、「疑問詞の度合いを強調する」といった説明もなされたりします。
  
 It's very fine today.
  It is surprising that he should be at home.

   (今日はとっても天気がいい。彼が家にいるなんて驚きだ。)
 
  「〜なんて」が登場してくれました。普段はアウトドアな人が、こんな天気がいい日に家にいるという「意外性」を表現するために should が用いられています。
  このように、「感情のshould」は、感情が発生している場合に用いますので、同じような表現でも感情が入り込まない、言い換えれば、客観的な事実を述べるような場合には使われない、ということになります。
たとえば、
 
  He hasn't eaten anything for three days.
  It's very strange that he should say that he is not hungry.

   (彼は三日間何も食べていない。彼がお腹がすいていないと言うなんて本当に不思議。)
 
  It's very strange that he didn't know that.
   (彼がそれを知らなかったのはとても不思議だ。)
 
  不思議かどうかは主観的なものですが、たとえばこの例文では過去のちょっと不思議なことを思い出して、でも過去のことなので今では「すごく不思議」というほどでもなく、やや客観的な気持ちで述べているという状況だと想定しています。

必要・重要を表す It is 〜 that --- の that 節の形で

    It is necessary that he should attend the meeting.
   (彼はその集会に出席する必要がある。)
 
necessary が「必要な」という形容詞であるということがポイントです。この should の意味を考えてみると「〜すべき」という意味になるのではないかと思われますが、necessary 自体に「必要な」という意味があり、さらにその上に should の「すべき」という意味が加わって、結局意味が重複していることになります。しかし、そういうものだと思います。そう思うのは私だけでしょうか。

主張・要求・提案・命令の that節の中の should  

  「主張」や「要求」、「提案」、「命令」などの動詞の後の that 節で。
 
 She insisted that they should release the turtles.
   (彼女は彼らがカメを自然に帰すことを要求した。)
 
  この should は「〜すべき」とか「〜であるべきだ」という意味だと考えられます。
この種の動詞には以下のようなものがあります。

demand (要求する)    suggest (提案する)   recommend (勧める)    propose (提案する)    advise (忠告する)    order (命令する)

助動詞もくじ