群動詞の受動態

 たとえば、「 take care of --- 」は「 --- の世話をする」という意味の熟語ですが、これは、
 
  He took care of the baby.
  (彼は赤ん坊の世話をした。 )
 
というように使います。この文の「赤ん坊」を主語にして、日本語で、
 
  (その赤ん坊は彼に世話をされた。)
 
 という受け身の文を作ることは可能ですね。これを英語で行う場合、take care of --- を一つの動詞とみなし the baby をその目的語とみなして作れば可能です。そこで、
 
  The baby was taken care of by him.
 
 という文ができあがりです。take care of ---を一つの動詞とみなしていますので、受動態にした時に takeと care と of というファミリーはバラバラにしてはいけません。また、それがひとかたまりの動詞なので、by --- はその後、つまり of の後に来ます。結果的に of と by が続くことに違和感があるかもしれませんが、ここではそうでなくてはならないのです。
 
 他の例としてつぎのようなものがあります。
 
  Everyone laughed at me.
  (誰もが私を笑った。 )
  I was laughed at by everyone.
 
  My sister always makes fun of me.
  (妹はいつも私を馬鹿にする。 )
  I am always made fun of by my sister.
 
  The singer looked up to the comedian.
  (その歌手はそのコメディアンを尊敬していた。 )
  The comedian was looked up to by the singer.
 
  The chldren looked forward to the party.
  (その子供たちはパーティを楽しみにしていた。 )
  The party was looked forward to by the children.
 
 この種の群動詞には「 動詞 + 名詞 + 前置詞 」 というものがあり、その場合、群動詞の中の名詞を主語にする、という受動態もあります。たとえば、
 
  pay attention to --
 
という群動詞は「--に注意を払う」という群動詞ですが、中の attention を主語にする受動態も可能です。
 
  She pays no atteniton to his advice.
  (彼女は彼のアドバイスに注意を全く払わない。 )
  No attention is paid to his advice by her.
  His advice is paid no attention to by her.
 
 群動詞は、ファミリーをバラバラにはしない、ということが鉄則です。

 

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