動名詞の基本用法

  動名詞は名詞と同様に文中で「主語」や「補語」、「目的語」になることができます。この3つの働きの中で、特徴的なものは「目的語」の場合です。
  普通「目的語」という時、動詞の目的語と前置詞の目的語との2種類の目的語を意味しますが、動名詞はどちらの働きもすることができます。
 以上の4つの機能をまとめると次のようになります。
 

主語の働き

Jogging every day is good for the health.
(毎朝ジョギングすることは健康によい。)
 
  この文の主語を、もし一語で選ぶとしたら Jogging です。Jogging が every day という副詞を伴って主部を作っています。
 
Chewing gum in class is very rude.
(授業中にガムをかむことは大変無礼なことです。)
 
  この文では主語を一語で選ぶと chewing です。それが gum を伴って「ガムを噛むこと」chewing gumというカタマリをつくり、さらに「授業中に」(in class)という部分を加えて主部を作っています。ただちょっと難しいのは チューインガムという日本語があるために、まるでガムが主語のように見えてしまい、chew と gumが作る「他動詞+目的語」という構造が見えにくいことです。
  動名詞は動詞の性質も持ち合わせているので目的語をとることができるのですが、 -ingの意味を、上の例のように「〜すること」と理解しにくい場合があるので注意が必要です。
 
※なお、動名詞が作る主部が長すぎるような場合には形式主語の It で置き換えられる場合があります。しかし不定詞の場合と違い、あまり頻繁ではないようです。
 
It is no good driving after drinking.
(酒を飲んで運転することは全然ダメ。)
 
  この文では driving が 主語であり、その driving を after drinking が副詞として修飾しているという構造になっています。

補語の働き

 

  One of his favorite pastimes is singing in the bathtub.
(彼のお気に入りの趣味の一つは浴槽で歌を歌うことです。)
 
  この文では singing が S + V + C の C の働きをしています。なお、主語は One であり pastimes ではないので注意してください。主語が単数なので動詞が are ではなく is となっています。  

動詞の目的語の働き

 

  We enjoyed playing beach volleyball on a cold winter day.
(我々は冬の寒い日にビーチバレーを楽しんだ。)
 
  この文では playing beach volleyball が enjoyed の目的語になっています。enjoy が「〜することを楽しむ」という形で後ろに動詞をとる場合は必ず動名詞にします。不定詞は使えません。
  そういう意味で enjoy は動名詞と相性が良いのですが、その他の動詞にも相性のよいものがいくつかあります。それらは「動名詞のみをとる動詞」で説明します。  

前置詞の目的語の働き

  I'm interested in learning Roman history.
(私はローマの歴史を勉強することに興味を持っています。)
 
  不定詞も動名詞も「〜すること」という意味を持ちますが、前置詞の後ろにつける場合は動名詞の形しか使えません。理由は、たぶん不定詞には to という前置詞みたいなものが初めから付いているので、ややこしくなるからではないか、と思います。(あくまで個人的意見です。)
  「〜すること」を前置詞の後に持ってくる場合は動名詞の形にするしかない、というのは動名詞のかなりハッキリした特徴です。

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