不定詞の意味上の主語

意味上の主語が for で表される場合

 たとえば、
 
私は部屋に入るためにドアを開けた。
 
は、英語で表すと、
 
I opened the door to enter the room.
 
とでもなります。この時、I という主語は文の動詞である opened の主語であることはもちろんですが、同時に、意味の上では enter の主語にもなっています。では、
 
私はその蛇が部屋に入れるようドアを開けた。
 
 という気持ちの悪い文はどう表せばいいのでしょうか。
 今回は「開けた」のは私ですが、enter するのは「その蛇」です。
 enter に意味上の主語として、「その蛇」を意味する the snake を付け加えなければなりません。
 そこで、登場するのが、今回の for 〜 です。これを to 不定詞の前に置くのです。
 
I opened the door for the snake to enter the room.
 
 で、できあがりです。
 この意味上の主語の for 〜 は様々な場面で使うことができます。たとえば、
 
It is difficult to read the book.
その本を読むのは難しい。
 
という文では、なるほど本が難しそうだということはわかるのですが、いまいち漠然としているので、もう少し読者を限定して、たとえば、
 
猿にはその本を読むのは難しい。
 
とでもしてみましょう。
 
 これを英語で表すと、
 
It is difficult for a monkey to read the book.
 
となります。
 

「不定詞」もくじ