仮定法とは?

   あることを「仮定」しようとするときに、日本語でよく使う言葉は「もし〜」という言葉です。「もし明日晴れたら」 とか「もし私があなただったら」という「もし」です。
  この「もし」にあたる言葉は英語にもあって、その代表は if  です。
  「もし明日晴れたら」という言い方を英語にするときは、まず  if を置き、その後ろに S+V つまり「明日晴れる」という文を置きます。
  しかし、この「明日晴れる」という文を置くときに、英語では日本語では全く行わない「手続き」を行います。
  ここでの「手続き」とは「考え方としてこういうことをする」というくらいの意味です。
  で、その手続きは何かというと、英語では if の次にくる意味の内容について、それが「実現する可能性のある、あるいは今実際に起こっている可能性のある」ものなのか、「実現する可能性のない、あるいは今実際には起こっている可能性のない」ものなのか、によって表現の仕方を変えるのです。
  例えば、部活動や学校の勉強で忙しい高校生が、A:「もし明日塾の宿題を忘れたら先生に怒られるぅ」と言った場合の「明日塾の宿題を忘れる」ということは実現可能性がたっぷりありますが、同じ学生が、B:「あ〜あ、もし今大学生だったら、こんなにあくせくしなくていいのに」という台詞の「今大学生である」という出来事は、今、現実には起こっていないことです。
  英語では、A を表現する場合と B を表現する場合とでは同じ「もしも」を使っていても、表現の仕方が全く異なるのです。
  仮定法とは、普通 B のようなことがら、つまり、「実現する可能性のないこと、あるいは過去や現在、未来に起こっていない、起こる可能性のないこと」を仮定する時に、用いる表現です。
  「実現する可能性のある・今実際に起こっている可能性のある」ことを仮定する表現については、「仮定法」とは呼んでいません。

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