if の省略
If を使って「もしも」を表すことが多いのですが、ややこしいことに、(条件文ではなく)仮定法の場合にはこの If 自体を省略する場合があります。で、省略した場合にどうなるかというと、ただなくなったということではなく、省略の痕跡が残ります。具体的にみてみましょう。
まずは何も省略していない仮定法の文。
If I were a bird, I could fly in the sky.
(もし私が鳥だったら空を飛べるのだが。)
仮定法過去で if 節の動詞が be 動詞の場合、会話では was もよく使われるようですが、仮定法の本来の形というか仮定法らしさをしっかり伝えるのは were です。で、この were の if 節では If がよくが省略されるのです。
省略に伴って、全体がこうなります。
Were I a bird, I could fly in the sky.
何が起ったのかというと、if の省略の後、主語の前に were が移動したのです。つまり、言い換えると、be 動詞の疑問文の語順をとったということになります。
同じ仮定法過去でも、一般動詞ではifの省略は普通しません。
次に、仮定法過去完了の場合ですが、これもまずふつうの文から見てみます。
If I had known the truth, I would have told it to you.
(もし私が真実を知っていたら、君に教えていたのだが。)
この文で ifを省略すると、
Had I known the truth, I would have told it to you.
となります。ここでも、if の省略をすると、had が主語の前に来る形に、つまり 過去完了の疑問文の形になっています。
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