英文法の学び方

  私が高校生だった40年以上前は「英文法」という科目があったように記憶していますが、いつの頃からか文法重視ではいけないということで会話系の科目が重視されるようになりました。  
  しかし実態としては、会話は抑え、英文法の学習に充てているようです。
  大半の高校生の英語学習の最大のモチベーションが大学入試である以上、読解や作文の力を鍛えるために文法に時間を割くというのはやむを得ないと思います。
  
  さて、文法の学び方ですが、現役の高校生でいわゆる進学校であれば、学校で購入する文法教材を中心に勉強することが最も自然でしょう。  
もし自分で詳しい参考書を選ぶとしたら次ののようなものがあります。
  
  新マスター英文法   聖文新社
  
「新マスター英文法」よりも前に出版された、やはり「やや詳しい」文法書に、
  
  ロイヤル英文法―徹底例解
  
という本があります。   
  「新マスター英文法」と「ロイヤル英文法」とどちらがいいか、という点ですが、個人的には「新マスター英文法」の方が気にいっています。その理由は、マスター英文法は一人の著者によって書かれているという点です。
ロイヤル英文法は数人の学者の皆さんが手分けして書かれています。ですから、どうしてもまとめる視点や文体に統一感に欠ける部分があると感じられます。マスター英文法の方は中原道喜さんという某有名中高一貫校で教鞭をとられていた方が執筆されており、精緻、簡潔にして明瞭な解説が一定のリズムでこの書物に展開されています。
英語を指導していて、「あれどうだったかな?」「どう説明すればよかったかな?」という疑問に答えてくれるのは圧倒的に「マスター英文法」の方です。
上記以外に昔から定評のある文法書として、
  
    英文法解説(金子書房)
  
というものも有名です。この本の初版は、「はしがき」によりますと1953年とあり、ざっと半世紀以上も経っているのですが、内容はまったく色褪せておらず、今でも読み応えが感じられます。
この本は、江川泰一郎(えがわたいいちろう)というお一人の先生によって書かれていますが、解説の端々に江川先生の個性的な私見がうかがわれ、興味深い内容となっています。

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