助動詞 could の基本用法(1)
時制の一致
主節の動詞の時制が変化すると、従属節の動詞も影響を受ける、という現象を「時制の一致」というようです。
たとえば、
They know that he can speak seven languages.
(
彼らは彼が7つの言語を話せることを知っている。)
では、 They know が主節で、 that he can speak seven languages が従属節ですが、もし、主節の know を knew にすると、can も一つ時制を下げて、could にしなければなりません。
They knew that he could speak seven languages.
しかし、日本語訳については、
(
彼らは彼が7つの言語を話せることを知っていた。)
ということになって、変わるのは「知っていた」の部分だけです。
that 以下の内容は時間的には「知っていた」ことなので普通「過去」のことです。ですから素直に couldになります。しかし日本語では「知っていた」と同時に行われたことは「できる」というふうに現在であるかのような表現になります。
時制の一致による could は現実の時間は「過去」ですが、日本語訳としては「現在」のように訳します。
過去の可能「〜できた」
過去において「〜する能力があった」あるいは「〜することが(状況的に)できた」という場合に用います。
The rumor cannot be true.
(その噂が本当のはずがない。)
許可「〜してよい」
may にも「〜してよい」という意味がありますが、may の方が「上から目線」が強く感じられます。can の方が軽く、「もし、したかったらやってみたら?」というニュアンスがあるので、話し言葉では can の方が多く用いられます。
You can use my toothbrush if you want to.
(もし使いたければ私の歯ブラシ使っていいよ。)
依頼「〜してくれませんか」
「状況的可能」を疑問文にして、「〜していただける状況でしょうか」と少し柔らかく依頼する感じでしょうか。
Can you lend me your false teeth?
(入れ歯を貸していただけますか。)