名詞構文(トップ)

17. 名詞構文

この単元の作成メモ
名詞構文の考え方
  「名詞構文」は、「比較の構文」や「仮定法の構文」と違って、特定の語句を用いた固定的な構文を指すというわけではありません。
  英語の文の特徴として、日本語では動詞や形容詞や副詞など、名詞以外で表現しそうなところを英語では名詞を使うことが 多いのですが、そのような「名詞好きな英語の表現法・発想がよく表れた文」の総称が「名詞構文」と考えておく方がいいと思います。
名詞構文の例
  たとえば日本語で「私の父は料理が得意です」という文を英語にするとき、日本語的発想に近い英文は、 
    My father is good at cooking. でしょうか。
同じ意味で言い方を変えて「私の父は上手に料理をする」という日本語からは、
    My father cooks well.
という英語が浮かんできそうです。
ここで大切なことは、
    My father is good at cooking.
も、
    My father cooks well.
も、言っていることは同じだ、ということです。これはそれぞれの日本語訳についても、同じことが言えるように感じられます。
  さて、以上の2つの他に「私の父は料理が上手」という意味のことを表す英文で、日本語的発想からは素直には受け入れがたい英語表現として、
    My father is a good cook.
というものがあります。
この日本語訳としては、
「私の父は上手な料理人です」
が自然な感じがします。しかし、日本語で「料理人」が意味するのは料理を職業とする人いわゆる「コックさん」を普通意味するので、まるで父がプロの料理人であるかのような日本語になってしまい、おかしな訳ということになります。
しかし、英語の cook は、必ずしもプロの料理人ということを表すわけではありません。誰であっても料理をする人が cook なのです。
  したがって
    My father is a good cook.
は、
    My father is good at cooking.
や、
    My father cooks well.
と同じように、プロでもなんでもない父親がただ、料理が上手ということを表すのです。
  同様に、
    My mother is a good pianist.
も、母がプロのピアニストだということを言っているわけではなく(その可能性もないわけではありませんが)、ただ母はピアノの演奏が上手だ、ということなのです。
  このように、ただ誰かがただ「〜が上手」ということを言うのに英語は「--- ist」という「人」を表す名詞の表現を好むわけですが、そういう発想の仕方がよく表れた文が「名詞構文」ということになります。