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不定詞

名詞的用法(1)

  to不定詞は文中で名詞として機能することができます。名詞として機能するとは具体的には文中で「主語」、「目的語」( to不定詞は動詞の目的語になるのみで、前置詞の目的語には普通なりません)、「補語」になるということです。  

主語の働きをする不定詞

  To play with children is a great fun.
    (子供と遊ぶことはとても楽しい。)
  To know is one thing, to teach is another.
    (知ること教えることとは違う。)
※ A is one thing, (and) B is another は 「AとBは異なる」という慣用表現です。
  以上の例文のように、to不定詞が主語となることができます。

形式主語の it

  英語では主語の部分が長くなるのを嫌うという傾向があるので、主語になる不定詞は多くの場合、形式主語の It に置き換えられます。
  たとえば、「子供と遊ぶことはとても楽しい」という先ほどの文は、
 
  It is a great fun to play with children.
 
とする方がバランスが良い感じがします。
 
  「自分自身を知ることは多くの場合とても難しい。」
という文を日本語にすると、
 
  It is often difficult to know oneself.
    
となります。   It = to know oneself
 
  「形式主語」は「仮主語(かりしゅご)」とも呼ばれています。

不定詞の否定

  不定詞の部分を否定する時は否定語の not や never を不定詞の直前に置きます。
  It was difficult not to laugh at the scene
.   (その光景を見て笑わないでいることは困難だった。)

疑問詞+to不定詞

  「疑問詞+to不定詞」というカタマリも名詞的用法として主語になることができます。
  What to do next is the biggest problem.
    (次に何をすべきか、ということが最大の問題です。)  

不定詞と動名詞

  動名詞も不定詞も動詞を名詞に変え「〜すること」という意味で使うことができます。したがって、どちらも文の主語になることができますが、少しだけ使い方が異なる感じがします。動名詞の場合は、主語になっている動作が「一般的なものを指す」ことが多く、不定詞は特定なもの、個別的なものが多いということです。 ただし、その区別は明確なものではなく、あくまでも「そういう傾向がある」という程度です。  
    例えば、
「野球をすることは楽しい」
という日本語を英語にするときには、
  Playing baseball is fun.
とすることの方が多いと思われます。  これは、
  To play baseball is fun.
としても間違っているわけではありませんが、内容が用例としては少ないだろうということです。ちなみに、Googleの検索機能で上記2つの文の件数を比較したところ、
Playing baseball is fun.は62200件ヒットしましたが、To play baseball is funの方は24300件のヒットでした。
  また形式主語のItに代わるのは不定詞の方が圧倒的に多いと感じられます。これは、もともと主部が長い場合に形式主語に代わり易いということから考えると、特定のことを言おうとすると主語が長くなる傾向になり、そのために to不定詞で置き換わることが多いということになるためではないでしょうか。
  「彼に真実を伝えることが重要だ。」
   It is important to tell him the truth
.   この文で to tell him the truth という特定のことを、telling him the truth というのはちょっと抵抗を感じます。