第2文型(S+V+C)
基 本
第2文型は4つの文の要素のうち、「主語」+「動詞」+「補語」がその語順で並んでいるものをいいます。この語順をとる動詞はbe動詞が最も一般的で、例えばこんな文が第2文型の文です。
He is my husband.(彼は私の夫です。)
実になんでもない文ですね。この文のhusband(夫)のように、「主語は○○である」という文の○○にあたる機能を持つ語句を補語といいます。(ただし第5文型にも補語があり、少し意味あいが異なりますので、ここでは「第2文型の補語」に限定して説明しています。)
husbandは名詞ですが、補語には名詞の他に形容詞もよく使われます。
They must be sick.(彼らは病気に違いない。)
この文ではbe動詞の後にsickが来て補語の働きをしています。sickは「病気の」という形容詞です。
補語の中に文がある場合(S+Vの多重性)
少し話が飛躍します。
次の文を読んでください。
The fact is that they are very sick.(実は彼らはかなり病気なのです。)
この文が少しややこしく見えるのは、The fact is ~という部分が文のようになっているのに、that they are very sick という部分にも文らしきものがあることです。
この場合、The fact(事実)が文全体の主語で、is が文全体の動詞です。
そして次に来るthat以下全体が、ひとカタマリとして補語の機能を果たしています。
この文をSとVとCの3つに大きく分けると次のようになります。
[ The fact ] [ is ] [ that they are very sick ] .
[ The fact ] = S
[ is ] = V
[ that they are very sick ] = C
したがって文全体をS+V+Cの第2文型であると分類します。
文全体から見れば「補語」であるthat they are very sick の中にもS+V+Cがありますね。すなわち、
they / are / (very) sick
というS+V+Cです。
このSVCは文全体の文型には関係ありません。これは文の補語を形成しているS+V+Cで、いわば文の要素(ここでは「補語」)を作るための「部品」として機能しているにすぎません。
そしてここが英文理解のために大変に大切であり、だからこそ繰り返し述べているところなのですが、文の基礎的骨組みであるS+Vと、文型とは関係なく、部品にあたるようなS+Vとをはっきりと区別することが絶対に必要なのです。
この文では「はは~ん、文全体のSはThe factで、文全体の動詞はis。そしてthat以下のS+Vは補語を作っているのだね」と理解できないと文の意味はわかりません。
部品のS+Vまで含めると英文はSVを基本単位として成り立っており、英文を「読んで理解する」という行為は、それぞれのSVが文全体の土台となるSVなのか、文全体の土台ではなく、土台を修飾したり、土台の部品を構成するSVなのかを鋭く峻別し、部品のSVならそれが骨組みのS+Vにどう関わっているかを理解する、ということを基本作業として行えるということなのです。
第2文型をとりやすい動詞
第2文型をとりやすい動詞の代表格はS = C の = (イコール)にあたる役割をする「be動詞」ですが、それ以外に一般動詞もありますので注意が必要です。SVCとなる一般動詞をどう理解するか、という点ですが、「be動詞の意味を備えていながら、それに別の意味を付け加えたもの」という感じでいいのではないかと思います。
種類はだいたい以下の3種類とみなすことが普通のようです。
SとCが、S = Cという関係に「なる」という意味の動詞です。
代表的なところでbecomeがありますが他にget,come,go,grow,turn,fallなどがあります。becomeやgetはかなり応用範囲が広いですが、その他の語はどういう状態になるのかによって選択的に使われます。つまり、後に来る補語との相性がだいたい決まっているのです。
The blind man became a great pianist.(その盲目の男は偉大なピアニストになった。)
Some leaves turn yellow in fall.(秋に紅葉する葉もある。)・・・turnは色が変わるときによく使いますね。
The company went bankrupt.(その会社は倒産しました。)・・・goはあまりよくない状態になる場合が多いようです。
Our dream finally came true.(私たちの夢がついに現実になった。)・・・comeの「なる」という意味は良いことに使うことが多いですね。
SとCが、S = Cという関係なんではないかなぁと「思える」、「見える」ということで、英文の話者がどのようにS = Cを認識しているか、ということを表す動詞です。look, seem, appear, feel, sound などがあります。
The story sounds very strange.(その話はとても奇妙に聞こえる。)
This sofa feels very soft.(このソファは感触がとても柔らかい。)
Ants always look busy.(蟻はいつも忙しそうだ。)
SとCが、S = Cの関係を持続させている感じになる一般動詞です。stay(~のままである),remain(~のままである), keep, lieなどがあります。
They stayed awake all night.(彼らは一晩中起きっぱなしだった。)
She remained silent for a while.(彼女はしばらくの間黙ったままだった。)
stayもremainもどちらも「~のままである」という日本語で表されますが、後にくる補語との相性はかなり決まっているように感じます。上の2文でstayed とremainedを入れ替えると(個人的なことかも知れませんが)非常に不自然な感じがします。remainの場合はひょっとすると(不自然に)「~のまま」という感じがあるのかも知れません。stayやkeepの場合は(頑張って)「~のまま」という感じでしょうか。この説は違っているかも知れませんが、用法の違いがあることは確かです。
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