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文  型

第5文型(S+V+O+C)

基  本

第5文型は S+V+O+C という形の文です。最後に「補語」が来ていることが特徴です。この補語は第2文型 S+V+C の「補語」とは少し違っていて、目的語との間に「主語」+「述語」の関係を作る、という補語です。具体的に見ていきましょう。
He always keeps his room clean.(彼はいつも自分の部屋をきれいにしておく。)
という文においては、
[ He ]  = S
[ keeps ] = V
[ his room ] = O
[ clean ] = C
ということになります。ここで his room = clean
という関係が成立しています。
彼がhis room = clean という状態を保っている ( keep している)ということです。
his room = cleanという等式のような関係が成立しているので、「第5文型とはO = Cの文型である」と説明することもできるのですが、これから先にも様々な文のパターンを理解していくうえで、もう少し汎用性のある考え方として、「OとCの間に主語と述語の関係がある」という考え方をしておく方がよいと思います。
第5文型 ( S+V+O+C ) は文の中心となるS+Vに続いて、その動詞が持つ働きによってさらにもう一つの「主語+述語」が続くという文型です。
例文では「彼がkeepする」という中心的 S+Vに、さらに「部屋がきれい」というもう一つの S+V があるのです。

第5文型の種類

第5文型に使われる動詞は意味によっていくつかに分類することができます。

「Oを~にする」という動詞

The story made me sad.(その話は私を悲しませた。)
「the story が make した」という中心的 S+V に、「私が悲しい」というもう一つの S+V があるという文になっています。
make は基本的に「作る」という意味ですが、この文で make が作っているのは「私が悲しい」という「状況」なんですね。
このような「主語の動作によってある状況をつくるような動詞」には他に、call 「Oを~と呼ぶ」( Oの愛称か蔑称か不明ですが、とにかく呼ばれ方を作っています)、name「Oを~と名付ける」(名前を作る訳ですから強烈ですね)、keep「Oを~にしておく」,choose「Oを~に選ぶ」などがあります。

「Oが~であると思う(信じる、感じる)」などの動詞

find, think, believe,などが代表格ですね。
I found the book very easy. (私はその本がとても簡単だとわかった。)
find という動詞は大変簡単そうな動詞ですが、そういう動詞ほど使い方はいろいろあって、意外に難しいという傾向があります。find の基本的な意味としては「見つける」ということがありますが、この文で「見つけた」のは、
「その本がとても簡単である」という「事実」
なのです。 そのような「事実」はどのように見つかるのかといえば、それは実際に本の内容を読むことからわかるのです。ですからこの文は、 、
the book が very easy であることがその本を読んでわかった
という意味です。
これを次と混同してはいけません。
I found a very easy book.(私はとても簡単な本を見つけた。)
この文で「見つけた」のは「事実」ではなく、単なる物体としての「本」です。その本に a very easy が付いているに過ぎません。この文は5文型ではなく、 find が book を目的語にとっている単なる第3文型の文です。

「Oが~するのを見る、(聞く、感じる)」などの動詞

ここで使われる動詞はsee, hear, feel などの「知覚動詞」と呼ばれる動詞です。
これらの動詞は大変特別な使い方をしますので、極めて重要です。
例文で示しましょう。
I saw him enter the room.(私は彼が部屋に入るのを見た。)
中心的 S+V は I sawですが、もう一つの S+V は「彼が入る」という部分ですね。ところが、ここに重大なルールがあって、him enter の enter なのですが、これが実は動詞の原形なのです。
このことは大変特殊なルールと言わなければなりません。
英語の動詞は、動詞の時間によって(現在であるとか過去であるとか)また主語の人称(3人称単数であるとか、複数であるとか)によって形が常に微妙に変化するのが基本なのですが、その中で動詞を「原形」で使わなければならないという場合はわずかしかありません。その代表的なケースは以下の3つです。
① 命令文 Open the door.(ドアを開けてください。)
② 助動詞の後 He can swim very fast.
③ 祈願文 God bless you! (神があなたを祝福しますように--神は3人称単数ですが動詞に原形を使います。)
そして、上記の三つのケースに匹敵するくらい特殊な文型としてこの「知覚動詞」や、(後で触れますが)「使役動詞」を使った5文型における「動詞の原形」の使用があります。
「彼女は彼がその歌を歌うのを聴いた。」はどう表現すればいいでしょうか。
まず、「彼女が聴いた」という S+V これは She listened でいいでしょう。
次に、「彼がその歌を歌う」の部分ですが、これは him sing the song ということでlisten の後ですから  sing を原形で表す必要があります。
ところで「聴く」は listen でよいのですが、「~を聴く」という風に対象がある場合にはto が必要です。
そこで文全体は、
She listened to him sing the song.
となります。
この知覚動詞の文については指摘すべき重要なポイントがもう2つあります。
一つは、この文を受動態にするとき、「原形」であったものを 「to原形」にしなければならない、ということです。
I saw him enter the room.(私は彼が部屋に入るのを見た。)
で確認してみましょう。
この文を受動態にするとき、まず何を受動態の主語にするのかを考えますが、それは「能動態の文の目的語を主語に」という考え方を基本にしてください。この文型は5文型であるということでここで紹介しているのですが、文の要素を確認すると、
[ I ]  = S
[ saw ] = V
[ him ] = O
[ enter the room ] = C
となります。文全体の目的語は him です。(ここで the room と間違えないようにしましょう。)
そこで He を受動態の主語にして、
He was seen
で始まる受動態の文を作ります。で、その時、もともとの文で使われていた enter the room という補語の部分ですが、これがなんと受動態では to enter the roomとならなければいけないのです。で結局、
He was seen to enter the room by me.(彼は部屋に入るところを私に見られた。)ということになります。
なぜ受動態の場合に to がつくのかよくわからないのですが、とにかく不思議な、面倒なルールですね。
では、知覚動詞の文について指摘すべきもう一つのポイントに移ります
。 それは、O + C の C は状況に応じて原形ではないことがある、ということです。
例えば、 I saw him entering the room.
という状況の場合があります。ここでは--ingが使われています。
その場合、
I saw him entering the room.
と何が違うのかと言えば、それは、
He entered the room.と、
He was entering the room.
との違いと同じです。つまり-ingを使っている場合は、「彼が入っているところを見た。」という意味になり、彼が部屋に入るという動作が進行中である、その一瞬を見た、ということになります。
それに対して原形を使っている方は、「彼が部屋に入るのを見た。」ということですが、-ingとの違いを明らかにするために細かく言えば、部屋に入るという行為の初めから終わりまでを見たということになります。
「知覚動詞」は原形不定詞が使われる特殊な文型になる言っても、それは「知覚動詞」だから常にそうなるという意味ではなく、O とC の関係次第では進行の形もあるということなので、そこのところは柔軟に受け止めておいてください。

「Oに~させる」という動詞

自分が何かをするのではなく、自分以外の誰かに「させる」ことを「使役」といいます。英語では、使役動詞の代表的なものとして、
① S+V+O+原形、となる make, let, haveと、
② S+V+O+to原形 となる cause, get があります。
My father made me wash his car.(父は私に車を洗わせた。)
The illness caused her to give up the dream.(病気が彼女に夢をあきらめさせた。→病気のために彼女は夢をあきらめた。)
①については先ほどの知覚動詞と同じように動詞の原形を使うということが大変特徴的なのですが、詳しくは「不定詞」の単元で解説します。

「Oに~して欲しい(~するよう言う、~するよう依頼する等)の動詞

「tell + O + to --- → Oに---するように言う」「 want + O + to ---- → 「Oに--してもらいたい」などがあります。
I want you to come here right away. (あなたにすぐにここに来てもらいたい。)
この形をとる動詞は非常に多く、他に、teach, order, allow (許す), permit(許可する)enable(可能にする)などなどがあります。

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