仮定法と直説法

   「〜法」と聞くと、「〜する方法」(「呼吸法」、「勉強法」など)とか、「〜についての法律」(「消防法」とか「道路交通法」、「少年法」など)が思い浮かびますが、「仮定法」の「法」は、意外にも「方法」や「法律」とは関係ない意味を持っています。
  「仮定法」を英語で言うと、
 
Subjunctive Mood
 
となりますが、「法」にあたる単語は "Mood"です。
  「ムード」というと、日本語では「いいムードになってきた」という文言に表現されているように「雰囲気」という意味を表しますが、英語の mood は日本語とは意味が異なり、大抵は 「気分」という意味を表します。
  実はこの「気分」という言葉が、「仮定法」の「法」に近いのです。
   もう少し堅苦しく言えば「心的態度」です。
  従って、仮定法の「法」とは、話者が英語を使うときの「気分」つまり「心的態度」のことを意味しています。
  「法」には以下の3種類があります。

直説法

これは事実や意見をそのまま述べようとする心的態度です。「ちょくせつ」といっても、「直接」ではなく「直説」ですので注意が必要です。
  
    I'm not a superman.
  

仮定法

これは事実とは異なること、起こりえないことを表現の手段として使う心的態度です。
  
  If I were a bird, I could fly.
     (もし私が鳥なら、飛べるのだが。)
 

命令法

これは、だれかに何かを命令しよう、という心的態度です。
  Do my homework.
    (俺の宿題をしろ。

「仮定法」もくじ