否定疑問文や付加疑問文の注意すべき答え方

   否定疑問文や付加疑問文については答え方に注意してください。
  例えば、「あなたは彼の名前を知らないのですか」という否定疑問文を作るとしましょう。英文は次のようになります。
  
Don't you know his name?
  
  さて、次にその質問に答えるとします。
  そこで確認ですが、まず日本語で考えますと、もし名前を知っているとしたら、
  
「いいえ、知っています。」
  
と答えるのが普通です。
で、もし知らなければ、
  
「はい、知りません。」
  
と答えます。
 
  では英語ではどうでしょうか。
もし、知っているとしたら、日本語は「いいえ、知っています。」ですが、英語は、
 
Yes, I do.
 
となります。日本語の「いいえ」が、英語では Yes となるのです。
  逆に、もし知らないとしたら、日本語は「はい、知りません」ですが、英語では
 
No, I don't.
 
と、なるのです。
どこがポイントなのでしょうか。
 
それは英語の Yes, No は、日本語の「はい」、「いいえ」と異なり、相手の質問の仕方に関係なく、事実のみに基づくということです。
  日本語では、「名前を知っていますか」と聞かれて、知っている場合は「はい、知っています」と答えますが、「名前を知らないのですか」と聞かれたら「いいえ、 知っています」と答えます。「知っている」という事実は変わらないのですが、「はい」と「いいえ」が聞かれ方に影響を受けるのです。
  
しかし、英語の場合は、
 
Do you know his name?
 
と聞かれても、
 
Don't you know his name?
 
と聞かれても、もし事実が「知っている」という肯定だったら、どちらにも、
 
Yes, I do.
 
と答えるのです。
英語の yes, no は事実が「肯定」であれば聞かれ方に関係なく yes、事実が「否定」であれば聞かれ方に関係なく、no で答えます。
  この違いは大変面白いのですが、実際に英語で話すような場合には非常にミスをしてしまうところでもあります。
  
付加疑問文でも、同じように考えます。
  
She didn't come to juku yesterday, did she?
    ( 彼女は昨日塾に来なかったよね。
  
に対して、もし「来なかった」という事実があるなら、日本語では、
 
はい、そうです。」 ですが、
 
英語では、
 
No, she didn't.
 
ということになります。

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