「動作」か「状態」かは文脈次第
状態動詞は普通進行形にしませんが、では、「いかなる場合でも絶対に」進行形にならないか、というとそうでもありません。
ある動詞が「動作」か「状態」かというのはその動詞が使われる文脈に依存するのです。
例えば smell(臭いがする)という動詞は、
Natto smells terrible.
(納豆はひどい臭いがする。)
という意味では進行形にはできませんが、
The dog smelled her foot.
(その犬が彼女の足の臭いをかいだ。)
という場合のsmellは(犬の意志によって)「臭いをかいだ」わけですから動作と考えられ、
The dog was smelling her foot.
(その犬が彼女の足の臭いをかいでいた。)
という進行形は可能です。
また、「認識や思考を表す動詞」の代表格である think についても、ただ自然に頭に浮かぶ意見や考えを述べるとき、例えば、
I think that her song is really nice.
(彼女の歌は本当に素晴らしいと思う。)
のような文では think を進行形にすることはできませんが、何かの事をテーマに意識してそれについて考える場合には「意志」が介入しますので動作に近いものと考えられ(自分で始めたり、やめたりすることができる)るので、進行形にすることができます。
I am thinking about the problem now.
(今その問題について考えています。)
のような場合です。
「時制」もくじ
- 時制とは
- 時制の種類
- 時制の難しさ (1)
- 時制の難しさ (2)
- 現在時制 ~基本形~
- 現在時制 ~3単現の s の付け方~
- 現在時制の用法
- 「未来」を表す現在時制とは
- 「未来」を表す現在時制 ~予定~
- 現在時制 ~時や条件を表す副詞節中での未来形の代用~
- 時や条件を表す副詞節を導く接続詞の種類
- 現在形 「時や条件の副詞節中での未来形の代用」と間違えやすい if と when
- 過去時制 ~基本形~
- 過去時制の用法
- 未来時制
- 未来時制 will と be going to の違い
- 進行時制
- 現在分詞 ~ ing の付け方 ~
- 現在進行時制
- 進行時制にしない動詞
- 「動作」か「状態」かは文脈次第
- 過去進行時制
- 未来進行時制
- 完了時制
- 現在完了時制
- 現在完了時制の用法
- 過去完了時制
- 過去完了時制 ~大過去の用法~
- 未来完了時制
- 未来完了時制の用法
- 完了進行時制
- 完了進行時制の用法