受動態の基本
たとえば、
( 私はバナナを毎日食べる。 )
という文があるとします。食べる本数を仮に1本としてそれを英語で言うと、
I eat a banana every day.
となります。
これを受動態にします。手順を一つずつやってみます。
まず、受動態では動作を受ける方が主語ですから「バナナが私に食べられる」というふうに、バナナが主語になります。ですからバナナを文頭に持ってきます。
A banana
次に登場するのは動詞です。なぜ次が動詞なのか?それは、英語の語順は「S+V」であり、主語の次には動詞が続くのが鉄則だからです。
では、どのような動詞を持ってくるかということですが、ここでは受動態の「お約束ごと」として、
be動詞 +過去分詞
を持ってくることになっています。be動詞の種類は新しい主語である a banana に合わせ、時制も能動態の文に合わせます。この文では現在形です。
A banana is eaten
となります。
これだけでも、
( バナナが食べられる )
という立派な受動態になっています。
仕上げは、これに「私が」を付け加えることです。
これは、「私によって」というふうに考えて「〜によって」という意味を持つ、
by
という前置詞を使います。
A banana is eaten by
となります。次に、by の後に「私」を持ってきます。この場合の「私」は文の主語ではないので I ではありません。by の後の形は、動詞の後の形と同じで、「目的格」と呼ばれる me にします。
したがって、
A banana is eaten by me
となります。
最後に、「毎日」を付け加えます。「毎日」の位置は、能動態の文と同じにして、文の最後に持ってくることにします。(「持ってくることにします」とは、実は by me との入れ替えが可能だからです。このあたりの語順はあまり大事ではないのです。)で、結局、
A banana is eaten by me every day.
で完成です。
能動態から受動態への転換の結果、こうなりました。
[能動態] I eat a banana every day.
[受動態] A banana is eaten by me every day.
さて、実はここからが大切なのですが、以上の能動態から受動態への変換を「文の要素」S,V,O, Cで考えると何が起ったのでしょうか。
まず、元の文である I eat an banana every day.は、I が S, eat が V, an banana が O, every day が M の第3文型の文です。
で、受動態にしたときは、an banana を主語にしましたが、これは、目的語を主語にした、とも言えます。
ここが大切なのですが、実は、受動態は能動態の目的語を主語にした文なのです。
受動態とは能動態の文の目的語を主語にした文である。
したがって、受動態に出来る文型は、SVO, SVOO, SVOC の3つの文型です。
- 受動態とは?
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